仕込みと熟成

by admin
8月 17 2011 年

この度の金融ショックで今後は鳴りを潜めるかと思われますが、この5~6年の間という
もの、老舗有名ブランドが過去に特注で製造した時計が、海外の有名オークションで
数億円超といった驚くべき金額で落札されていたのを皆様ご存知かと思います。

「スゴイな~、落札したのはドバイの富豪とか欧米の貴族階級のコレクターとか!?
あるところにはあるんだな~」と思われた方、あなたは心の綺麗ないい人です!

私はいつも物事を斜めから見てるような心の汚れた輩ですので、ちょっとうがった見方をしちゃいました。

以下、いち時計修理屋ごときの戯言ですので、聞き流してくださいね。

驚くべき高額で落札されると、当然そのニュースはあらゆる媒体で全世界へ発信され
ます。
そのブランドの名は、これまで時計にあまり関心が無かった層にまで”過去の名品が
そんな高額で取引されるような名門ブランドなのか”という意識を植え付けることは
想像に難くありません。

これ、落札者はその老舗有名ブランドの会社そのものなんです。
全世界のあらゆるメディアへの宣伝費と考えれば数億円は安いもんですよ。

で、その数億円の時計をどうするか?

自社のミュージアムに展示ですよ。

当然目玉展示になりますし、何年後かに、その時計に雰囲気の似た時計を新製品として発売するのです。

その希少品を探し出して、さらにはオークションで最後まで競い合う相手もそのメーカー
自身が仕込んだのかどうか、それは判りませんよ。そこまで憶測で物事を語ってはいけません。

私はこの事実を聞いたとき、店内BGMに「ドナドナ」が流れているマクドナルドに入って
しまったかの様な陰鬱な気分になりました。

えっ!?それはどこのメーカーかって??

まぁ、それは敢えて言いませんよ。

さ、次からは旧き良きパテックを褒め称える記事に戻るとしましょう♪

あ、このタイミングで記事にしたというのは、たまたまですよ。本当にたまたま(爆)

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