オメガ スピードマスター オーバーホール 口コミ
- Google mapに表示される当社ページに以下のような口コミが投稿されました
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“言い訳が酷いのと、修理後にすぐ不具合でても客のせい。 挙げ句、こちらからお断り的な怠慢な対応。こんなとこにオーバーホール依頼したのがまちがいでした”
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一切の論理的な根拠は無く、当社の作業ミスを想起させる行為に対しては綿密な検証を行う必要があり、一連のいきさつ及び検証結果と当社の姿勢を示すため、このページを作成した事をご理解いただければ幸いです。
このページを読んで当社に依頼したくないと思われるようになる方もいらっしゃるでしょうが、この報告によってそういった方と当社とのミスマッチを事前に防ぎ、お互いに不快な思いを抱く事が無くなれば深甚に存じます。
後述しますが、この投稿者は6か月間異常無く使用していたにもかかわらず、当社からの全額返金の申し出に応じたため、お客様では無くA氏と表現します。
A氏からは個人および時計の特定につながる情報は掲載しないという条件で、一連のやり取りを全て公開する許可を取り付けております。
当社からのメールは青字で表記し、この問題を知るうえで重要な個所は赤字表記としております。
尚、依頼前の段階で以下のような了承事項をメールで明記しております。
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現在オメガの日本代理店が外部業者に部品を販売しないという方針を打ち出しており、保証に関して様々な制約があるため当社ではスピードマスターのオーバーホールについては決して無条件でおすすめしておらず、作業完了後も当社を信用していただく事が受付にあたっての必須条件となる事をご了承ください。
- 時計はオメガ・スピードマスターオートマチック 3510.50です。
納品後約1か月経過後、以下のようなメールが届きました。
以降のA氏と当社のメールのやりとりを掲載します。
2021/3/2:A氏
先日オメガスピードマスターを修理していただいたAと申します。
修理完了後は問題ありませんでしたが、本日から急に秒針が狂ってるのか時間が進みます。
一時間に10分以上は先に進んでしまうため正確な時間がわからなくなります。
どうすればよいでしょうか。
3/2:友輝
ご連絡ありがとうございます。
症状からノートPCやスマートフォン／充電器等、電子機器の影響で磁気帯びしたための精度不良である可能性がありますが、現時点では判断不可能です。
再調整の前に出来る限り詳しく状態を把握しておく必要がございますので、納品の際にお送りした添付ファイルの”リューズの位置と操作、ぜんまいについて/手巻き”を参考に、1日1度のリューズ操作でゼンマイ手巻きを1週間続けて行ってください。
その間の1日ごとの進み/遅れの秒数を記録していただき、1週間後にお知らせください。
（1週間の累積やトータルでの秒数では無く、”一日あたり何秒狂う”か、という7日間の記録が必要となります）
また5-6日経過し磁気が弱まった時点で少し強めに時計を振ると、接触していた部品が離れ、その後全く問題無く動作を回復した事例がこれまで2件ございましたので、一度試してみる事をおすすめしております。
1週間後、1日当たり30秒以上の精度不良が出るようでしたら、恐れ入りますが、まずは宅配便/ゆうパックで日時指定せずにお送りくださいませ。
保証書は同封不要ですので、配送BOXに入れてお送りください。
配送BOX＋厚めの紙袋でまず大丈夫だと思います。
ご面倒をお掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。
3/3:A氏
返信ありがとうございます。
昨日メールさせていただきましたAです。
昨日寝る前に時間を合わせ、リューズを手巻きしてから寝ましたが、朝起きてみたら2時間位時間が進んでました。
(1日30秒以上狂うレベルではないです)
この状態を維持したまま一週間計測すればよいのでしょうか？
なお、普段の使用で磁気に近づけるような使い方をした覚えもありせまん。
3/3:友輝
ご連絡ありがとうございます。
症状から、磁気帯びまたはひげゼンマイ接触の可能性がございます。
対策にあたってそのまま精度計測いただく事が重要となりますので、継続願います。
また動作を継続する事によって、先述の部品接触が解消されるきっかけにもなります。
磁気帯びの場合、”何が原因で磁気帯びしたのか”を判断するのは不可能な事をご了承ください。
3/9:A氏
時間が突然進むようになって一週間計測しました。
3日 2時間5分進む
4日 1時間8分進む
5日 32分進む
6日 30分進む
7日 1時間15分進む
8日 45分進む
9日 50分進む
あまり正確ではないと思いますがとにかく時間が進みます。
磁気帯びの可能性とのことで、オイルコンパスの近くに時計を当ててもコンパスの針は動きませんので、一度送らせていただきます。
送る際は着払いでよいでしょうか？
3/9:友輝
現時点で原因が不明ですので、こういった場合は例外なく元払いで送っていただいている事をご了承ください。
日時指定はしないでお送りください。
進みの程度からひげゼンマイの接触の可能性もございますが、まずは現物を拝見しないと現状では何も申し上げられないのです。
もし当社に対してわずかでも不信感を抱かれた場合、以下の当社ページに記載しておりますように冷静な作業が不可能となる事だけはご了解いただければ幸いです。
→当社の保証についてのページへ
最後まで当社を信用していただける場合、”絶対に嘘は申し上げない”事をお約束いたします。
3/9：A氏
かしこまりました。
週末には発送しようと思いますのでよろしくお願いします。
こんなに安く、しかも丁寧に対応していただいてますので疑念等は一切ありません。
思い入れの強い時計なのでどうぞよろしくお願い致します。
- 3/15:友輝
A様
お送りいただいた時計を点検いたしましたところ、添付画像の赤で囲った個所で精度を司るヒゲゼンマイが緩急針へ接触した状態となっておりました。
等間隔/同心円を描いてる下の正常画像と比較して、針金状のヒゲゼンマイの外端部が重なってしまっております。
これは時計修理の業界では衝撃や腕を強く振るなどの原因で起こると認識されております。
さほど強い衝撃や遠心力でなくとも、ヒゲゼンマイが拡がり切ったタイミングで力の方向が合致するとこのような状態となる事がございます。（同機種で非常に多い症状です）
発送前の入念な動作確認をしていただいた事で、原因追及が極めて容易に行えました事を御礼申し上げます。
直ちにヒゲゼンマイを元の状態に戻す作業を行った結果、正常な動作を回復いたしました。
念のためあと1週間ほど他の個所も点検/動作テストをした後、誠に恐れ入りますが後天的な要因と判断せざるを得ないため、工賃は不要ですので着払いにて返送させていただく事をご了承ください。
よろしくお願いいたします。
(これで済めばスピードマスター3510.50ではたまにある再修理という事で一件落着だったのですが・・） - 9/3：A氏
3月に修理してもらったAです。
また、時間が進むようになってしまいました。
強い衝撃等与えた覚えはありませんが、以前と同様の症状と思われます。
改めて修理を依頼した場合は費用どのくらいになりますでしょうか。
（仮に前回と同様の原因でしたら尚更A氏に動作検証を行ってもらうのが最も迅速かつ確実に原因究明を行う事ができるため、3月の時と同様に動作/精度検証をお願いする旨のメールを送信したところ、以下のような返信がありました。）
9/3：A氏
返信ありがとうございます。
磁気帯びに関しては普段からかなり気を使ってるので間違いなくありません。（オイルを使用した方位磁石でも反応しません）
前回同様ヒゲゼンマイが等間隔になってない症状と思われますが、それでも見積もり金額は出ないのでしょうか？
修理からさほど日数が経ってない状況のなか、同じ症状が出るということがちょっと腑に落ちないです。
また、メールの返信内容もテンプレート的な内容で時間ばかりかかり、挙げ句費用に関しては一切触れないというのは顧客に対していかがかと思います。
こんな返信すると、じゃあ、うちには修理出すなよ的な回答なんでしょうか？
9/4：友輝
仮にヒゲゼンマイのからみでしたら前回同様工賃不要で往復送料のみです。
貴殿からのメールにありました”強い衝撃等与えた覚えはありませんが”に配慮し、ヒゲゼンマイのからみなら送料のみで対応、という安直な返信はしませんでした。
当社の保証に対する姿勢が記載されている以下のページをご確認ください。
https://www.yuuki-tokei.com/Guarantee.html
信頼関係が失われた場合、お互いの為にもこれ以上の作業は避けるべきであるというのが当社の考えです。
当社を信用いただけない場合、前回お送りしたヒゲゼンマイがからんだ画像を他の修理会社に見積もり希望の際に見せて、お渡しから1か月および5か月は正常だったことを伝えたうえで当社の落ち度かどうかをご確認いただきたく思っております。
他の工房に診断してもらう場合は、必ず前回2021/03/19にお送りした当社の診断メールも同時に見せてください。
消去されたようでしたら再送いたします。
前回ヒゲゼンマイの絡みが発生する原因を詳細に説明させていただいたので、今回は磁気帯びによるヒゲゼンマイの接触の可能性があるとみておりました。
予測不可能な金属疲労等による部品破損の可能性もありますので、現時点で費用を明記する事は出来ない事をご理解くださいませ。
(以上のように返信したところ、間もなく先述のGoogle My Businessへの口コミが投稿されました。）
- 表面的に謝罪しつつ“直ちに無料で修理いたします”と申し出ればこのような問題は起きないのですが、そういった過去の日本に於いて多く見受けられた、事なかれ主義的な対応は、再修理に要した工賃や期間、部品代などを最終的に他のお客様へ転嫁する結果となり得るものであり、当社を信じてご依頼/対応いただいている大多数の真のお客様への重大な背信行為であると捉えております。（予測不可能な金属疲労等による高価な部品の破損であった場合などは特に）
当社としてはどうしても真実を明らかにしたいとの思いから、A氏に以下のようなメールを送信しました。
友輝：時計を送っていただいて現在の状態を1週間ほど検証させていただけるのでしたら全額返金しますのでその旨お知らせください。
A氏：では時計を送りますので返金してください。
友輝：当然ながら返金後は一切の動作および状態の保証は不可能で、個人および時計個体を特定できる内容を省いた一連のやり取りを全てHPで公開する事を条件とします。
上記条件にご同意いただける場合、その旨お知らせください。
A氏：了解しました。企業として最低限のマナーを守った上でHPで公開するのはお好きになさってください。
もちろん返金後に何かを言うつもりも一切ありませんが、時計を現状以下の状態にだけはしないでください。 - 届いた時計の裏蓋を開封したところ、またもヒゲゼンマイの絡みが発生しておりました。
3月の場合より単純な絡み方だった事もあり、早速メールでA氏に提示していたように、やや強めに時計を振る手法を試みたところ、あっさりとヒゲゼンマイの絡みが解消されました。
これで解消する事もあるので、1週間はA氏の手元で動作確認する事を推奨しているのです。
- スピードマスター3510.50/ETA2892系の修理実績が豊富な修理者でしたら、この機種でヒゲゼンマイの絡みが多発する事は周知の事実かと存じます。
下の画像は絡みを解除した直後の画像ですが、同心円が理想形であるヒゲゼンマイの形状が歪んで右側へ偏っている（向かって左側上部が狭く、右側下部で同心円の間隔が拡がっている）のがわかりますでしょうか
これは直接の精度不良の原因となったヒゲゼンマイからみが生じる前の段階で、既に衝撃や遠心力の影響でヒゲゼンマイに偏りが生じていた確固たる証拠で、そういった影響が出る使用状況であったと推察されます。
偏心が発生してヒゲゼンマイの外端がヒゲ持ちに接近していると、当然ながらヒゲゼンマイの絡む確率が飛躍的に高くなります。
しかしこの程度の偏りであれば実用上ほぼ問題なく使用可能なので、A氏は自覚症状が無いまま使用を続けていたものと思われます。
- 精度不良との直接の関連はありませんが、プッシュボタン部分から湿気が侵入したのか、目視の難しいクロノグラフ機構部にサビが発生しており、画像のようにケース内縁まで脱落してきたサビが見受けられました。
この機種では必ずお渡し時に以下の事をお伝えしております。
“夏のエアコンによる急激な温度差が原因で内部に曇りが生じる可能性もあるなど、湿気や汗の影響を受けやすい機種ですので、今後は汗や湿気の影響が大きい6〜9月のご使用は出来る限りお控えいただく事が寿命の延長につながります。”
9月上旬に精度不良の申し出がありましたので、上記期間、日常的に使用していた可能性も考えられます。
A氏の居住地は真夏でも冷涼で知られる地域なので、一般的に汗の混入などが起こりにくいのですが、2021年夏は観測史上まれに見る猛暑で、連日の真夏日を記録しておりました。
このページでは事実のみを客観的に記載するよう努めておりますが、
A氏は当方からの注意事項や申し出などにはあまり耳を傾けない方なのかもしれない、という印象を抱いてしまいます。 - A氏は“オーバーホール直後だった”、“同じ症状で2回”
との事で当社の作業ミスを疑っているのでしょうが、不調となった原因がいずれも同様で取扱いに起因するものと判断いたします。
残念ながら原因についての説明は1回目の段階でもA氏に聞き入れていただけていないようでしたので、ここで再び無償修理したとしても使用状況を改善するとは思えず、二度ならず三度同じ不具合が生じる可能性を危惧し、合計6か月間は問題無く動作していたものの、全額返金して当社とのかかわりを一切絶っていただく事がお互いにとって最善の策と判断いたしました。
返金の条件を出したのはどうしても不具合の検証を行いたかったためです。
そのまま他社へ持ち込まれてはそれが不可能となりますから。
たとえ法的措置によって投稿の取り消しが出来たとしても、代わりにこの事実を公にする事が出来なくなるため、具体的な事例を用いて当社の姿勢を多くの方へ示す事が出来るとの考えから、ホームページでの公開を行う権利を得る事にいたしました。 - A氏の主張する”ヒゲゼンマイのからみ”が6か月経過してから取扱いに起因する要因以外で発生する可能性は果たして０％なのでしょうか？？
当社の記事は同業者もよく見ていて参考にしているという話を耳にします
この記事を見た同業者様で、その可能性について思いつく方がいらっしゃいましたら、これまで種々の情報を提供してきたお礼としてどうか当社にお教えくださいませ。
使用者にも作業者にも原因が無い状況で唯一可能性があるとすれば”超能力者が念力を使った場合”でしょうか。
私も交流のある時計業界では著名なある先達の修理者は、過去超能力を特集したTV番組に呼ばれ、ユリ・ゲラー氏が手を触れずに針を早回しした時計を生放送の現場で念力を披露する前と後で分解した経験があり、その際にも何ら異常は発見できず、「我々技術者でもわからない”何か”があったとしか考えられない」と後年しきりに私共に話しておられたので、当社は超能力の存在を否定いたしません。
A氏にも当社にも非は無いとしましたら、おそらくそのような人智を超えた力が働いたのでしょう。
後日談～その後
2度目のヒゲゼンマイ絡みも修復して問題なく動作するようにして返送し、上記検証内容を知らせたうえで全額返金しても、A氏は口コミを削除する事はありませんでした。
削除を求めた内容証明郵便も受け取ることなく返送されてきたので、この口コミによって被った逸失利益を求めて提訴する事にいたしました。
その結果、令和5年9月札幌簡易裁判所において
”原告（当社）は誠実に対応しており、口コミ全体を通してみた文言などからすると、単なる意見にとどまらず、原告に対する誹謗中傷と受け取られても仕方のない内容と認められ、原告に対する信用棄損は明らかであり、逸失利益額と裁判費用1/2の支払いを命じる”
との判決がなされました。
当社の一連の対応については、被告も裁判で全面的に事実であると認めており、その点が裁判所に誠実と判断された事に、提訴までした意義があったと感じております。