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ロレックス エクスプローラーU オーバーホール 修理 (有)友輝 全国配送対応
時計修理工房(有)友輝
ロレックス エクスプローラーURef.16570オーバーホール
20年以上に渡って生産されたため市場に流通している個体も多い、ロレックス・エクスプローラーU/Ref.16570です。
生産初期のものはインク品質のせいか、ベゼルの数字が画像のように剥がれて脱落してしまう事があります。
ベゼルの磨耗や凹みが激しく、再塗装に難がある場合、メーカーではインクの品質が改良されたベゼルごと交換になる事もあるようです。
ベゼルの塗装が剥げるといっても、一度に完全に剥離してしまう事はあまり無く、部分的な剥離が徐々に進行して画像のような状態となります。
塗装が劣化していると、爪楊枝などでちょっとつつくだけで簡単にはがれてしまうので、1枚目の画像は撮影用に全て剥離してみたというわけです。
再塗装は外注に依頼しますので、お預かりしたらすぐにベゼルを外して外注先に渡し、その間こちらで内部機械のオーバーホールを進め、修理期間の短縮に努めます。
ステンレス鋼は表面に酸化被膜を形成しますので、元々塗装が難しい素材である事を考慮しても、ここまでの剥離を招いた原因は何なのでしょう?
高湿度や温度差の他、紫外線による経年劣化などが考えられますが、原因を特定する事は困難です。
1990年代中盤以降のものはここまで剥離した例が確認できないので、塗料の質か塗装方法が改善されたものと思われますが、どのような原因を想定して対策を施したのか非常に興味があります。
ロレックスは株式会社では無いので、特許でも公開されていない限りこの改良点に関しては謎です。
Ref.16570/16710のエクスプローラーUとGMTマスターは短針が単独で稼働し、GMTマスターでは標準時が異なる2地点間の時刻表示が容易に行えます。
この機構は文字盤の下に組み込まれており、裏蓋を開封しただけではお目にかかる事はできません。
1枚目の画像は針と文字盤を外した状態です。
これでも12時間針の動作を制御するシステムには到達できず、4本のネジを緩めて2枚目の画像のようにメカニズムを覆うカバーを外さないといけません。
このメカニズムカバーを固定している4本のネジは焼き入れによって青色になっており、他のネジと混同しない工夫がされています。
ネジの製造工程は増えますが、組立/分解の際の効率およびネジを間違うミスの撲滅を追求した結果、焼き入れを施したものと推測しました。
焼き入れによって靱性を増し、表面酸化膜を形成させてサビを防止するという目的もあるのかもしれませんが、このネジはさほど締め付けトルクがかかっていないので、「他のネジと視覚的に区別する」意味合いが強いような気がいたします。
青いネジ4本を外して文字盤下のメカニズムカバーを外すと、中心に2つの歯車が重なっています。
その中でも2番目の歯車は画像のように内周に24個の山が刻まれていて、内側にその山と噛み合う一対のレバーとそれを押さえるバネがあり、上面は人工ルビーで蓋がしてあるという大変複雑怪奇な構造となっております。
ご想像通り、この歯車には独立稼動する短針が装着されます。
リューズを1段引いて回すと1対のレバーの爪が内周を1山進み、その仕組みで短針だけが1時間進むメカニズムです。
人工ルビーのカバーになっているのは、摩擦を軽減してスムーズな動作と磨耗耐久性を確保する為と思われます。
カバーの1箇所に切り欠きがありますが、ここから内部レバーと山への注油行うためのものです。
また、透明になっている事で短針独立作動を目視で確認することが可能なため、スプリング折れなどが発生した場合の確認が容易になるという利点があります。
こんな複雑な構造ですから、製造コストも歯車単体としては相当なものでしょう。
事実、購入すると内装部品としてはかなり高額な部類です。
新型エクスプローラーU/GMTマスターUに搭載されているCal.3186はこの短針歯車の独立稼動機構の部品構造/点数がやや簡略化されていますが、モデルチェンジの理由として製造コストがかさむ事もその一因であったことが想像されます。
剥離したベゼル刻印は専門業者に再塗装を外注し、このように蘇りました。
しかし当社では、まずはメーカー修理によるベゼル交換を最良の方法としてお客様に提案しています。
再塗装は新品時の工場塗装に比べると塗膜が弱いので、当社では「使用状況にもよりますが、耐久性に関しては未知数ですので、最良の方法は高価であってもメーカー修理によるベゼル交換です」とお伝えして了解を得たうえで再塗装作業をします。
こういったネガティブな面を伝えず、ひとまず利益になりそうだからと、あらゆる作業を引き受ける事は、結局のところお客様のためにならない事も多いのです。
それ以上に悲劇なのは、お客様のご要望を何とか叶えたいという思いから、あまり利益にならならない手間のかかる作業を引き受けたものの、結果的にお客様にはご満足いただけず「こんなことなら頼まなければよかった」と思わせてしまい、依頼者、作業者双方にとって最悪の結果となる事です。
作業を行ってみないと、どういった結果になるか不明な点もあるのに加え、お客様のご要望のレベルが高い場合などは、こういった結果となる事もあります。
このあたりは修理/オーバーホールを引き受けるにあたって本当に難しい事項のひとつです。
ベゼル再塗装は当社が外注依頼する数少ない項目の一つです。
当社ではオーバーホール作業は勿論の事、メッキや一部の外装補修を除き、ほとんど全ての作業を自社で行います。
時計の状態を確実に把握し、完了後に起こり得るお客様との見解の相違や、再修理を確実に減らしたいという思いがあるためです。
ホームページ上にオーバーホール基本料金しか掲載されていないと、部品代やその他工賃が上乗せされて、結局は高額になるのでは?と不安に感じる方も多いことでしょう。
当社では最終的にお客様がお支払いいただいた金額を掲載する方針です。
今回のエクスプローラーUは以下の金額でした。
ROLEX EXPLORER U Ref.16570
オーバーホール(分解・超音波洗浄・組立・注油)¥29,160
ゼンマイ交換 ¥3,780
2,3番歯車芯研磨 ¥6,480
ベゼル塗装・仕上げ ¥10,800
合計 ¥50,220
※価格は作業完了時点のものとなります。
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