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ロレックス オーバーホール 修理 (有)友輝 全国配送対応

ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.114270

ロレックス エクスプローラーⅠ オーバーホールの保証について


  • ロレックス エクスプローラー オーバーホール 保証

    当社でのオーバーホール後、2年2か月で停止してしまったというRef.114270エクスプローラ―Ⅰのお客様からご連絡がありました。

    保証期間は便宜上1年としておりますが、衝撃や浸水、湿気の混入などの形跡が無い限り、実質的には2年間を保証対象として対処しております。(製造メーカーでもないのに並行輸入品などは新品販売時より長く設定する事は出来ませんので)

    しかし今回は2年2か月後という微妙な期間です。
    さてどのように対応したらよいものか・・



    経過年数を考慮し、お客様には状況によっては再度オーバーホールとなる可能性もお伝えしたうえで裏蓋を開封したところ、この状態が目に飛び込んできました。

    時計修理に携わる方でしたら、この画像でエクスプローラーⅠに何が起きたのかを理解する事が可能です。



    こちらが正常な状態の画像です。
    上の画像と比較すると、中心部の赤い丸型の部品(穴石+受石:以下カッコ内は部品名称)が脱落している事が確認できます。

    これは落下や固い物体にぶつかるといった強い衝撃が加えられた証拠です。

    機構の説明は省きますが、強い衝撃が時計に加わると金色の牛の角状の部品(Kifショックスプリング)が跳ね上がり、穴石+受石が脱落する事で衝撃を逃がし、先端が髪の毛よりも細い部品(天芯)の破損を防ぎます。

    天芯は交換が難しく、破損した場合は原則として高価なユニット部品(テンプ)での交換となるため、こういった機構が有効となります。

    通常の使用状況でショックスプリングが形状を保ったまま外れる事はまず考えにくいため、これは使用上の問題であるという判断となります。

    難しいのはここからの対処です。

    運が良ければ穴石+受石はすぐに回収可能な場所に弾け飛んでいる事もありますが、目視不可能な内部に入り込み、さらに悪い事に内部歯車に噛み込まれてしまっている場合もあります。

    その場合、回収はほぼ全分解が必要となりますのでオーバーホールが必須となります。

    そのうえ歯車に嚙み込まれていた事で、真鍮製の受石枠が変形し再使用不可能となっている事まで想定しなければなりません。



    左が穴石、右が受石ですが、いずれも直径は1mm前後です

    今回のケースでは穴石+受石が発見できなかったので、オーバーホールのみならず、受石交換まで考慮する必要があります。

    お客様から動作不良の申し出があった時点で、以下のようにお伝えしてありました。

    ”前回の作業から2年以上経過しておりますので、不調の原因が落下等の衝撃や湿気の混入などが理由の場合、オーバーホールが必須となる事をご了承ください”

    以上の点にご了承いただいたのち時計を送付してもらい、点検後に画像を添付して以下のようにお伝えしました。
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    不調の原因は衝撃を受けた際に部品を脱落させて髪の毛より細い心臓部軸を保護する”耐震安全装置”が働いたためです。

    専門家でないとわからない画像ではありますが、金色の牛の角状の耐震バネが外れ、中心の人造ルビー穴石が脱落しており、この画像を見ればほぼ100%の作業者が衝撃が原因と特定できる画像です。

    外れた穴石は内部に入り込んだため現在発見できていませんが、歯車に挟み込まれて変形している事が多いため、交換が必要となります。
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    再度のオーバーホールとなる事も事前にご了承いただいておりましたので、ここまでの過程も何ら問題ないのですが、ここから先の内容が当社独自のものであると自負しております。

    今回のケースのように2年2か月での不調の場合、オーバーホール後4年間使用可能と想定した日割り計算に基づき、オーバーホール料金は通常料金の46%引き=¥13,500(税別)といたしました。

    これに穴石の部品代を加算したものを合計見積もり金額としましたが、それでも2万円をずっと下回りました。

    安価な見積もりとしたのは、手間のかかるケース、ブレスの汚れ除去や歯車軸の研磨などは前回の作業で徹底的に除去/修復してあったり、穴石の脱落以外に目立ったダメージが見当たらなかった事もありますが、何より引き続き当社の事を信頼いただいているお客様でしたので、一律に保証期間を過ぎたからといって通常のオーバーホール料金を請求する事は避けたかったのです。